#08 現場で活躍し会社に貢献する若手社員が育つシエンワークスの研修①~技術・現場実践編~

シエンワークスで提供している「現場サポート指導」つまり現場でのマンツーマン指導について、どの階層の社員に、どういう目的でどのような内容で実施しているかをご紹介します。

新入社員の座学研修後の現場サポート

弊社クライアントであるサブコン様では、新入社員の座学研修を6月から8月上旬まで計5日間継続して実施しますが、その後弊社指導員が現場に赴き、マンツーマンで現場での指導を行います。毎年6~7名の新入社員に対し、9月~翌年2月までの半年間を予定しています。

1)不安を共有

この会社では、新入社員が5月から現場配属になり、それぞれの現場の状況に応じて彼らに与えられる仕事が決まります。新入社員たちは弊社の現場サポートを受ける時期は現場配属から4ヶ月が経過しているため何かしらの仕事は与えられ、それを実行しています。

新入社員が現場に入場してまだ数ヶ月の段階で、現場サポートを受ける目的は、まずは彼らの心のうちの「今、どんな気持ちか」を共有すること、つまり現場の上司ではなく、第三者である私たちに不安や相談しづらいことなどを話す環境をつくってあげることです。

例えば、「今、〇〇さんはどんな状況ですか?」と質問すると、「仕事がパンパンで...大変です」と思わず本音が出てきます。この発言に対して、「それは具体的に、どんなことですか?」と掘り下げていき、問題の原因を一緒に考え、その対策も本人に考えてもらい、出てきた答えに、プラスしてこういう方法もあります、とアドバイスをするようにしています。

第三者である私たち指導員に話をすることで、少なからず不安や孤立感が薄まるのが、彼らの表情を見ていると実感します。

2)自分の仕事の理解と目的を知る

最初の現場に配属され、社会人として初めての仕事で多くの戸惑いとイメージとのギャップを感じながら日々を過ごしている新人なので、与えられている仕事に対しての受け止め方や理解は、まだ十分ではないと思います。

現場サポートでは、与えられた仕事について、その仕事が現場全体の仕事(仕組み)の中で、どういう分類の中で、どういう位置にあり、どういう目的のものなのか、ということをどの程度理解しているのかを新入社員たちに質問しながら、確認します。

現場の上司の方も忙しい業務の中で、そこまで新人に事細かに仕事の目的などについては話をしないでしょうし、時間の経過とともに自分で理解していくものというのが一般的です。しかし、その仕事をするうえでの一番重要な目的感や大局観を早いうちから身に付けることが、一日も早く現場を任せられる人材を育成するための第一歩になります。

3)マイ工程表で予定を立てる

「マイ工程表」とは、弊社で推奨している自分自身の行動予定表です。通常の週間工程表に自分がこの1週間でやるべき業務を工程表の中に落とし込みます。

上段に主な建築工程、中断に設備工程、下段に自分の業務の内容を入れていきます。
例えば、躯体工事であれば、上段に梁鉄筋組み、梁落とし、スラブ配筋、コンクリート打設の日程を、中断に梁墨出し、梁スリーブ入れ、梁落とし立会い→スリーブ固定、スラブ墨出し、インサート取付け、床スリーブ取付けの設備工事日程を、下段には墨出しチェック、スリーブ取付けの全数確認、写真撮影の日程を記入、といった要領です。
これを作成することにより、新入社員でもスリーブ、インサート工事の全体像が理解でき、自分がやるべきことの内容とスケジュールが整理され、一連の流れがシュミレーションできます。

このマイ工程表を現場ごとに定期的に新入社員と共有し、進捗状況を確認します。

若手社員(入社3~7年目)の現場サポート

入社3~7年目くらいの若手社員の現場サポートについて、ご紹介します。

1)技術的なサポート(施工図チェック)

施工図の技術的な精度と、ぱっと見たときの美しさ(CAD上ではその判別は、作図の熟練度による)で、作図者の技量が推し量れるものです。経験が浅い人の図面は、技術的にも納まり的にもツッコミどころは、いっぱいあります。施工図の内容をチェックすることで、その若手社員の現場での経験や知識を確認できるので、これを基に指導していきます。

2)個々の目標に対してのアドバイス

若手社員は、施工管理するうえでのスキルやノウハウの習得が途中段階であるため、そのできていること、これから習得することの確認を指導員と共有し、目標を定めます。
例えば、一般事務所ビルの天井内の空調・衛生の施工図は書いたことがあるが、外構図は書いたことがない、配管材は発注したことはあるが、機器は発注したことがない、機械室の施工管理はやったことがない、原価管理はやったことがない、などこの現場での役割分担も含めて、3ヶ月~半年ごとのスパンで、若手社員自らが目標を定め、その目標に向かって指導員が進捗を確認しながら伴走する形です。

3)仕事に対する取り組み方の視点

施工管理をする上での技術的なことや段取りに関すること以外にも、若手社員の悩みは多くあります。例えば、5年目の中堅社員であれば部下の2年目社員とのコミュニケーションが噛み合わない、3年目の社員であれば協力会社の職人さんに上手に作業指示ができないなど、主にコミュニケーションについての悩みを多く耳にします。

このようなとき、話し方のコツや伝え方をどうするかのテクニック的なことも必要ですが、それよりも仕事に取り組む際の自分自身の気持ちの持ち方や、視点の置き方について考えてもらうワークをすることをサポートの中で取り入れています。

中堅社員・現場代理人(入社7年目以上)の現場サポート

入社5年目くらいになると、小さな現場の責任者として担当する場合も出てきます。また、7年目になると、若手社員を部下に持ち、その部下の育成を任されることになります。

この場合、現場代理人として現場を納める能力と部下を育成する能力の2つのスキルが必要になってきます。部下を育成するには、まず部下との信頼関係を築くことが肝要です。

1)1on1ミーティング

現場のリーダーが部下とのコミュケーションを図り、チームとしてのパフォーマンスを上げるために、1on1ミーティングを推奨しています。1on1ミーティングとは、リーダーと部下が1対1で対話するミーティングです。夕礼などで毎日打合せしている、というのは連絡事項や明日の段取りについての内容に留まっているケースが多いです。日々の直接的な業務内容以外に、リーダーと部下が定期的に、落ち着いた場所、時間で「最近、仕事はどう?」「感じていることは?」など、部下の普段聴けていない気持ちを聴き出す機会を設けます。

この前提として、日頃からリーダーは部下との信頼関係をよい状態に保っておくことが必要です。1on1ミーティングの対話方法については、リーダーに時間をかけてレクチャーします。

2)部下に任せる

現場代理人である自分自身がいかに効率的に責任者としてのマネジメントの仕事に注力できるかは、部下にいかに仕事を任せられるかにかかっています。
部下の能力や経験によって仕事を任せるのが不安、というリーダーも多いでしょう。しかし、限られた人数の中で部下に任せる仕事の割合を増やさざるを得ない状況では、どうやって任せて、成果を上げるのかに工夫をこらす必要があります。

例えばそれは、部下に施工管理の手順書を作成させ(なるべく自分で考えさせ、一緒に考え修正を繰り返す)、実践ではマイルストーンを決め、そのポイントごとに進捗確認をする(このときもつまづいたら、原因を部下に分析させ、そこから何を学んだかを話させる)。というプロセスを踏みます。この「任せる」部下育成の手順をサポートしています。

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